<ジンジン博士のケータイ新書>誹謗中傷をなくす方向へ

 テレビ出演していた女性のSNS投稿(とうこう)に対して「生きている価値(かち)あるのかね」などの誹謗中傷(ひぼうちゅうしょう)(悪口を言いふらして、人を傷つけること)返信を繰り返したとして、20代の男性が警察(けいさつ)から捜査(そうさ)を受けました。裁判(さいばん)が行われるかどうかは今後の判断(はんだん)となりますが、ネット上の匿名(とくめい)での名前をかくした(発言に対して、無責任(むせきにん)ではいられないことが明らかになりました。

 

 この報道(ほうどう)を受けてネット上では、この男性を特定して攻撃(こうげき)を加えようとする動きが見られました。加害者が被害(ひがい)者へと立場が変わりそうな勢(いきお)いでした。無責任な発言に対して公的機関が厳(きび)しく対応することは必要ですが、個人(こじん)が身勝手な正義(せいぎ)感から制裁(せいさい)を加えることはいけません。これでは、同じことの繰り返しになってしまいますからね。

 

 インターネットを使ったコミュニケーションの特徴(とくちょう)の一つとして、「同じような考え方が他にも大勢(おおぜい)いて、そういう人たちからの同調をもらって強い満足感を覚える」というのがあります。何もネットを使わなくても、自分と同じ意見の人がいると嬉(うれ)しくなるのは人間の特徴の一つですね。ただ、ネットを使うとより多くの人と同調していると感じやすいのです。非常(ひじょう)に簡単(かんたん)に言うと「ネットは調子に乗りやすい」とも言えますね。

 

 昔から「罪(つみ)を憎(にく)んで、人を憎まず」と言いますが、加害者を追い詰めようとするエネルギーを、誹謗中傷をなくす方向に向けたいものですね。みんなで明るい未来を作りましょう。

(ITサポートさが・陣内誠)