<ジンジン博士のケータイ新書>侮辱罪厳罰化(げんばつか)、捜査期間も長く

 インターネットを安全に使うための学習のことを「情報(じょうほう)モラル学習」とか「ネットリテラシー学習」などと呼(よ)びます。このコラムを読むことも「情報モラル学習」の一つと言えるでしょう。今日は、そんな情報モラルの学習教材についての話題です。

 

 4月にお知らせしていた「刑法(けいほう)等(など)の一部を改正する法律(ほうりつ)」が6月13日に成立しました。侮辱罪(ぶじょくざい)の刑罰(けいばつ)が「拘留(こうりゅう)(30日未満)または科料(1万円未満)」から「1年以下の懲役(ちょうえき)もしくは禁錮(きんこ)」と「30万円以下の罰金(ばっきん)」に変更(へんこう)されました。これにともない公訴(こうそ)時効(じこう)期間(犯人(はんにん)を処罰(しょばつ)することができなくなる期間)が3年に延(の)びたので、悪質(あくしつ)な書(か)き込(こ)みをした人を特定するための捜査(そうさ)期間も長くなりました。これらのことにより、ネット上の誹謗(ひぼう)中傷(ちゅうしょう)を少なくする効果(こうか)が期待されています。この法律は、近日中に公布(こうふ)(法律を国民に知らせる手続)され、公布から20日たった時点で有効(ゆうこう)になります。

 

 ただし、国会での話し合いの中で、刑罰が重くなったことにより表現(ひょうげん)の自由の保障(ほしょう)に影響(えいきょう)があるのではないかという意見が出てきたので、法律が有効になって3年後に有識者(ゆうしきしゃ)を交えた調査(ちょうさ)検討(けんとう)を行うことが明記されました。言いかえれば、これから3年間の私(わたし)たちのSNS等の使い方しだいで見直される可能性(かのうせい)があると言ってもいいでしょう。ネットを取(と)り巻(ま)く状況(じょうきょう)は変化しやすいので、見直しの機会をつくるのはよいことかもしれませんね。

 

 一人ひとりが情報(じょうほう)化社会を作る一員としての自覚と責任(せきにん)感を持ってネットを使っていきたいと思います。どんな便利な道具も使い方を間違(まちが)えると人を傷(きず)つけてしまうことを強く心に刻(きざ)んでおきたいものですね。なによりも法律を守ることによって自分自身の身が守られることを知ってほしいと思っています。

(ITサポートさが・陣内誠)