<ジンジン博士のケータイ新書>「他者へ配慮した情報発信」がルール化

 3月13日に佐賀県(さがけん)が、新しい条例(じょうれい)を制定(せいてい)しました。条例というのは、県や市町村などの地方公共団体(だんたい)が法律(ほうりつ)に従(したが)ってつくることができる「きまり」のことです。佐賀県青少年健全育成条例など聞いたことがある条例もあるのではないでしょうか。条例によっては、罰則(ばっそく)が決められているものもありますが、今回紹介(しょうかい)する「全ての佐賀県民が一人一人の人権(じんけん)を共に認(みと)め合い、支(ささ)え合う社会づくりを進める条例」には罰則が決められていません。

 

 この条例の特徴(とくちょう)は「インターネットを利用した誹謗(ひぼう)中傷(ちゅうしょう)や差別を助長する投稿(とうこう)」について「人権侵害(しんがい)情報等(じょうほうとう)の送信を防止(ぼうし)する措置(そち)を講(こう)ずる権限(けんげん)を有する者等に対して県が人権侵害情報等の削除(さくじょ)を要請(ようせい)する」と明言していることです。「人権侵害情報等の送信を防止する措置を講ずる権限を有する者」とは、ウェブサイトの管理者やインターネットプロバイダーのことです。人権関連の条例でプロバイダーへの削除要請について触(ふ)れるのは九州では初めてです。

 

 皆(みな)さんに伝えたいのは、その第7条(じょう)です。そこには「何人も、不当な差別、いじめ、虐待(ぎゃくたい)、プライバシーの侵害、誹謗中傷その他の他人の権利(けんり)利益(りえき)を侵害する行為(こうい)(インターネットを通じて行われるものを含(ふく)む。以下「人権侵害行為」という。)をしてはならない。」とされています。

 

 本当なら、心構(こころがま)えとして身につけてほしい「他者へ配慮(はいりょ)した情報発信」ですが、今回の条例で「ルール」となりました。お互(たが)いに気をつけましょう。

(ITサポートさが・陣内誠)