<ジンジン博士のケータイ新書>AIの発達と詐欺メールの増加

 

 最近の人工知能(ちのう)(AI)の発達はめざましいものがありますが、AIの発達のせいで日本人を狙(ねら)った詐欺(さぎ)メールが増えているという分析(ぶんせき)が発表されたので、皆さんにもお知らせしたいと思います。

 この分析を発表したのは、日本プルーフポイント株式会社(かぶしきがいしゃ)のチーフエヴァンジェリスト(啓発(けいはつ)活動を行う役割の人)である増田幸美(そうたゆきみ)さんです。この方は警察大学校で警察官の皆さんにサイバーセキュリティーを教えていらっしゃるすごい人です。

 さてその内容(ないよう)ですが、ここ最近QRコードを利用した詐欺メールが増えていて、2024年は世界中で318万通も確認(かくにん)されているとのことです。25年も2月には過去最多を更新(こうしん)したそうです。そして恐(おそ)ろしいことに、そのうちの7割が日本を狙ったものであったことが明らかになりました。

 なぜ急に日本を狙った攻撃が増えたのかというと、AIが発達して日本語翻訳(ほんやく)の精度(せいど)が上がったからだろうと考えられているとのことです。確(たし)かにこれまでの外国からの詐欺メールは日本語に不自然さがありました。

 しかし最近のAIの発達を受けて翻訳ソフトが高性能化したことにより、自然な日本語に翻訳できるようになったので詐欺メールが増えたというわけです。確かに最近の詐欺メールは、以前よりずいぶん巧妙(こうみょう)になった印象があります。

 これまでも新しい技術(ぎじゅつ)が発明されるたびに、それを悪用した新しい犯罪が生まれました。新技術(しんぎじゅつ)の誕生(たんじょう)や発展(はってん)が素直(すなお)に喜べないのは、本当に残念なことです。(ITサポートさが・陣内誠)