<ジンジン博士のケータイ新書>ランサムウエア騒動

 5月中旬(ちゅうじゅん)に世界中を騒(さわ)がせたランサムウエア「ワナクライ」ですが、騒動(そうどう)も落ち着いてきたように見えます。読者の皆(みな)さんには、あまり関(かか)わりがなかったかもしれませんが、世界150カ国30万件(けん)以上の被害(ひがい)が報告(ほうこく)されている大事件(だいじけん)だったのです。

 

 ランサムウエアとは、感染(かんせん)したコンピューターやファイルを開けなくして、回復(かいふく)させたかったら身代金(みのしろきん)を払(はら)えと要求するプログラムのことです。今回のワナクライは、基本(きほん)ソフト(OS)であるウィンドウズが最新の状態(じょうたい)でなかったコンピューターがターゲットでした。残念なことにウィンドウズには、たびたび弱点が見つかります。その都度、弱点を補(おぎな)うプログラム(パッチ)が発表されるのですが、会社や団体(だんたい)で特別なプログラムを使っている場合、パッチを適用(てきよう)しないこともあります。メールに添付(てんぷ)されたプログラムファイルを開くことにより1台のコンピューターが感染し、ネットワークを通じて他のコンピューターにも感染が広がり、会社全体を巻(ま)き込(こ)んだ大きな被害につながったケースも報告されています。

 

 今回の騒動で皆さんに覚えておいてほしいのは、「見知らぬところから送られてきたメールや添付ファイルは開かない」、「OSやアプリなどは、常(つね)に最新の状態にしておく」という2点です。(ITサポートさが・陣内誠)