<ジンジン博士のケータイ新書>東京五輪選手への誹謗中傷

 東京オリンピックが終了(しゅうりょう)しました。日本選手団(にほんせんしゅだん)も大活躍(だいかつやく)で、卓球(たっきゅう)混合(こんごう)ダブルスでの金メダルや柔道(じゅうどう)阿部(あべ)兄妹(きょうだい)、レスリング川井(かわい)姉妹(しまい)の金メダル獲得(かくとく)など話題になった競技(きょうぎ)もたくさんありました。みなさんはどの競技が印象に残りましたか?

 

 私(わたし)の場合、今回のオリンピックで特に印象に残ったのが、SNSを利用した選手への誹謗中傷(ひぼうちゅうしょう)問題です。卓球の水谷(みずたに)選手や体操(たいそう)の橋本選手・村上選手への誹謗中傷、大坂なおみ選手への差別的な投稿(とうこう)などが注目を集めました。オリンピックでは、メダル獲得競争や競技へのこだわりなどから、選手を非難(ひなん)する人が後をたたないのも事実です。また国によって法律(ほうりつ)が違(ちが)うので、完全にとりしまることが難(むずか)しいという点も問題の解決(かいけつ)を難しくしています。

 

 インターネットの発達により、多くの人が情報(じょうほう)を発信する手段(しゅだん)を手に入れました。同時にそれらの情報は国境(こっきょう)を越(こ)え行(ゆ)き交(か)うようになりました。素晴(すば)らしい技術(ぎじゅつ)が確立(かくりつ)されましたが、それを使う人々の心は十分に育っているとは言えないようです。もちろん選手たちへの応援(おうえん)のメッセージもたくさん届(とど)いていることでしょうが、誹謗中傷のようなネガティブなメッセージが目立ってしまったオリンピックでした。5年前のリオデジャネイロオリンピックではそれほど問題にならなかったSNSの問題が、今回これほど注目されたのは、それだけ人々の生活にSNSが欠かせないものになっていることを示(しめ)す証拠(しょうこ)といえるかもしれません。

(ITサポートさが・陣内誠)