<ジンジン博士のケータイ新書>災害時のSNS情報はよく確認を

 9月末に日本をおそった台風が、静岡県(しずおかけん)に大雨被害(ひがい)をもたらしました。この災害(さいがい)に関して、とても残念なことが起こりました。

 

 SNSを通じて、大水害のフェイク画像(がぞう)が拡散(かくさん)されたのです。このフェイク画像は、誰(だれ)もが簡単(かんたん)に使える画像生成AIを使用したものでしたが、普通(ふつう)の人なら簡単にだまされてしまうような出来栄(できば)えでした。幸いなことにテレビや新聞などのメディアに取り上げられることはなかったので、SNSを使用していない人に大きな混乱(こんらん)は起こりませんでした。でもSNSを利用している人の中にはだまされた人も多かったため、ちょっとした騒(さわ)ぎになってしまいました。これまでにも熊本(くまもと)の地震(じしん)の時に「ライオンが逃(に)げた」というウソが拡散されるなど、似(に)た事件(じけん)がなかったわけではないのですが、今回のようなAIを利用した完成度の高い合成画像の拡散は非常(ひじょう)に珍(めずら)しいことでした。

 

 大きな災害が起こったとき、SNSは正しく使えば、とても素晴(すば)らしい道具になります。どこで、どのくらいの被害が起こっていて、助けを求めている人がどこにいるかなど救助活動に役立つ情報(じょうほう)が共有できるからです。でも今回のようなことが起きると、救助体制(たいせい)に混乱を招(まね)くだけでなく、避難(ひなん)する人にも被害が出る可能性(かのうせい)があります。

 

 人をだますことが悪いことであるのは当然ですが、だまされて混乱を大きくすることがないよう気をつけなければいけません。情報をうのみにすることなく確認(かくにん)する態度(たいど)が大切ですね。

(ITサポートさが・陣内誠)