<ジンジン博士のケータイ新書>災害時、情報の見きわめを

 今年は元日から大きな地震(じしん)が発災(はっせい)し、SNSを使用した偽情報(にせじょうほう)の拡散(かくさん)が大きな問題になりました。被災(ひさい)した人のふりをしてSNSに「助けてください」と投稿(とうこう)して救助作業の邪魔(じゃま)をしたり、東日本大震災(だいしんさい)の津波(つなみ)画像(がぞう)を投稿して不安をあおったりしていた投稿のことです。あまりにもたちが悪いので、岸田首相(しゅしょう)が年頭の記者会見で「実在(じつざい)しない住所や、あるいは無関係の画像で救助を求める、こうした情報など、事実に基(もと)づかない不確実(ふかくじつ)な情報がSNS上で拡散している(略(りゃく))。こうした悪質(あくしつ)な虚偽(きょぎ)情報、これは決して許(ゆる)されるものではなく、(略)厳(げん)に慎(つつし)んでいただく必要がある」と訴(うった)えるほどでした。

 

 Xを使った偽情報が増(ふ)えた理由について「広告収益(しゅうえき)分配プログラム」を利用したお金稼(かせ)ぎではないかといわれています。人の不幸や人を助けたいという気持ちを利用してお金を稼ごうとするのは許されない行為(こうい)です。他にも募金(ぼきん)を呼(よ)びかける怪(あや)しいサイトなどもあったので、ちゃんと被災地に届(とど)けられるか確認(かくにん)する心がけが大事です。

 

 また善意(ぜんい)から偽情報を拡散する事例も見られました。残念なことに災害(さいがい)時には「火事場ドロボウ」と呼ばれる人々が出没(しゅつぼつ)しますが、通信会社の災害復旧(ふっきゅう)作業車両がこれに間違(まちが)えられて拡散されるなどの混乱(こんらん)も起こっていたようです。

 

 これまでに何度もお話ししていますように、災害時にはどの情報が真実か見きわめる目と落ち着いた情報発信が大切になります。お互(たが)いに気をつけて過(す)ごしましょう。

(ITサポートさが・陣内誠)